Slav Indian
黒はスラブの ...c6 を、...d5 を見せるより 1 手先に指します。形の約束は保ったまま、先に意思表示をするのは白のほうだ、という手順です。
2...c6 が具体的に用意しているのは一つだけです。...d5 が十分な支えを伴って現れる、ということです。それ以外はほとんど何も決めていません。黒はスラブ系の形を狙っていますが、どの味付けにするかを選ぶ前に、白の構えを見たいのです。独立したオープニングというより、手順の道具です。圧倒的に人気のある 3. Nc3 に対しては、自然な 3...d5 でメインラインのスラブに合流し、そのとき白のナイトはすでに c3 に決め打ちされています。おかげで白の手順の選択肢がいくつか削られます。
黒が軽く見てはいけないことが一つあります。2...c6 は e4 に対して何もしていません。もたついていると、白は Nc3 と e4 を指すだけです。c6 のポーンは傍観者になります。ですから ...d5 を長く待たせることはできません。実際のこのオープニングの姿は、1 手のフェイントと、そのあとに続く真っ当なスラブの暮らしです。つまり堅い c6-d5 のポーンチェーン、白マスビショップという永遠の課題、そして ...dxc4 か後の ...e5 からのカウンタープレイです。どのスラブになるかを自分で決められること。それがこの手順を選ぶ理由です。
この手順そのものに結びついた有名な対局はありません。この手の美徳は職人の美徳です。たどり着く形はチェスでも屈指の健全さを持ち、プランはメインラインのスラブの勉強からそのまま持ち込めます。最初の数手で白が何をしても、そこは変わりません。すでにスラブを指しているなら、これは知っておく価値のある小さな手順の技です。指していないなら、覚えるべきはスラブのほうです。
スラブの宣言と受け取って、それに応じて指しましょう。ほぼ全員が選ぶ 3. Nc3 には理由があります。e4 が本物の脅威になるので、黒はすぐ ...d5 を突かされます。白は好みのメインラインのスラブのプランを手にします:中央を争い、cxd5 で形を決めるかどうか、決めるならいつかを判断し、わずかなスペースの差を活かして積極的に展開することです。3. Nf3 も、白の側の柔軟さは同じだけ保ちます。やってはいけないのは、漫然と指すことです。黒の手順の狙いは、惰性で選ばれた構えをとがめることに尽きます。
適切なタイミングで ...d5 を突き、あとはよいスラブの指し手であることです。c6-d5 のポーンチェーンは、チェスでも最も信頼できる形の一つを与えてくれます。繰り返し現れる判断は、...dxc4 でいつ緊張を解くか、...e6 が白マスビショップを閉じ込める前に、そのビショップをチェーンの外へ出すべきかどうか、そして ...e5 や ...c5 という解放の突破がいつ熟すか、の三つです。白の構えが遅い場合は、なめらかに展開すれば波風なく互角にできます。このオープニングが要求するのは記憶より忍耐です。勝ちのチャンスは 9 手目ではなく、ミドルゲームにあります。
クラブレベル(Lichess の 1600-2000)では、スラブ・インディアンの局面はコミュニティの対局およそ 159 万局に現れます。選択肢としてはニッチな部類です。1. d4 Nf6 2. c4 の親局面は 7000 万回以上見られていますが、2...c6 を選ぶ人はそのうち 1.8% にすぎません。白の応手はほぼ一択です。3. Nc3 が 76.9% の対局に現れて成績は 53%、3. Nf3(13.9%)がわずかに上の 54%、3. e3(3.2%)が 51% です。健全なディフェンスに対する、ごく普通の数字です。メインラインを予想し、自分のスラブを知っておけば、このオープニングにそれ以上の借りはありません。
- 分類
- インディアン
- 初手
- 1.d4
- ECO
- A50
- 変化
- 1. d4 Nf6 2. c4 c6