Amar Opening
キング側のナイトが盤の端から出発する、二つの名前を持つオープニングです。一つはパリのアマチュアの名前から、もう一つは表記がつづるアンモニア分子から取られています。
1.Nh3 は、キング側のナイトを合法的に行ける中でいちばん役に立たないマスへ送ります。名前を見れば、歴史がこの手をどれくらい真剣に扱ってきたかが分かります:1930 年代パリのアマチュア Charles Amar にちなんだ Amar Opening と、NH3 がアンモニアの化学式であることから来た Ammonia Opening です。h3 のナイトが利いているのは f4 と g5 くらいで、あとはほとんどありません。h ポーンの邪魔にもなります。ここに隠れた位置的な深みはありません。セオリーの本に向かって肩をすくめてみせる手です。
このオープニングに一つだけある本物のアイデアは、ナイトが f ポーンを塞がないことです。g3 と Bg2 のあと、白は f4 を突くことも、ナイト自身を f4 へ組み替えることもできます。こうしてバード・オープニング風の奇妙な攻撃形に、テンポ一つ遅れでたどり着きます。優位を主張する人はいません。主張しているのは、相手が知らないという一点です。速い持ち時間では、知らないというだけで本物のレーティングになります。
黒は、白が放棄した中央を素直に築けば十分です。ナイトの奇妙さは罠ではありません。h3 に毒はありません。中央のポーンを伸ばす普通の展開が、いちばん安全でいちばん野心的な答えになります。Amar Opening の本当の客層は、1 手目でセオリーの外へ出て、そのあとの混沌で自分の腕を信じるブリッツ好きです。
白にとっての最善形はキングサイドのフィアンケットです:g3 と Bg2、ショートキャスリング、そして塞がっていない f ポーンで f4 を突くか、ナイトを f4 へ跳ばします。これでダッチ・ディフェンス風の攻撃を、テンポ一つ損した形で作れます。ロマン派の版は早めにポーンをギャンビットして、線を開けて相手を混乱させます。どの版でも本当の武器は不意打ちです。白は、これが普通のオープニングであるふりをするのではなく、h3 のナイトが実際に働く形へ舵を切るべきです。
黒はすぐ中央を取りに行きます:...d5、許されるなら ...e5 も。あとは自然なマスへ駒を展開してキャスリングします。とがめるものも恐れるものもなく、良い展開に使える無料のテンポが一つあるだけです。避けたいのは、白のペースで白好みのフィアンケット形へ流されることだけです。空間を保ち、簡明に指し、h3 のナイトには自分で仕事を探させましょう。
クラブレベル(Lichess の 1600-2000)では、Amar Opening は約 359,000 局に現れ、その多くはブリッツの冒険家によるものです。黒は 43.1% の対局で 1...d5、20% で 1...e5 と中央を取りに行き、黒の成績はそれぞれ 51%、52% です。白を 50% 未満に押し下げているのは、この二つの中央確保です。静かな手は白を楽にします。1...e6 や 1...d6 のあとでは、白はむしろ五分を超えています。データは原則どおりです:中央を取れば、たとえ 1 ポイントか 2 ポイントでも、数字は自分の側に傾きます。
- 分類
- フランク
- 初手
- Other
- ECO
- A00
- 変化
- 1. Nh3